アジア最速の称号


20年やっていてこんなハードなレースがあっただろうか…

先ずは100m予選。
タイムテーブルでは8:40スタート。
ところが実際にスタートしたのは一時間以上遅れて10:00スタート。
コールがあまりに乱雑なのだ。

予選を12″09で組トップでゴールした。全体ではタイ選手の12″07に続き2位通過。

次の準決勝は三時間以上遅れのスタート。これも予選より1/100秒上げ12″08で組トップ。
全体ではまたしてもタイ選手の12″07に続き2位通過。

そしていよいよ決勝。

私はそれまでの間マッサージを受けていた。 なんと今までの流れよりコールが早まったのだ。
しかし私の気持ちは焦る訳でもなく かといって落ち着いている訳でもなく夢の中にいる様だった。
いきなりコール場所に連れて行かれ、いきなりスターティングブロックの前に立っていた。
決勝だけがコールされる。

「レーン5 コーイチ タカタ ジャパン」

私達はそこからPeakperformance rutinに入る。
私と伴走者は両手を高々と挙げて

「ファイッ!」

「ガガリサ(位置について)」

「押忍!」

スタートラインまで誘導してもらい
みこころのままに…と祈った。

「セティア(用意)」

早めに腰を挙げる。
ここのスターターはライカンを鳴らすタイミングが早いのが分かっていたからだ。

「Go-!」

やはり早かった。飛び出す瞬間シュッ!と息を吐く。このリズムで伴走者と合わせる。
80m付近までタイ選手リード。
私達はそこから、ラスト20mから抜け出た!ゴールは倒れる様な勢いで頭から突っ込んだ!
何位か分からなかった…
伴走者もだ…
混戦だった。

オーロラビジョンでリプレイを確認



勝った!
一位だ!!
金メダルだ!!!

私と伴走者は力いっぱい抱き合った。
しかも、ただ一人11秒台! 優勝タイム11″97!

2位のタイ選手は12″05…3位は12″20だった。

100mでアジア一になった。
感無量である。
そして今までお世話になっている方々のことが走馬燈の様に頭の中を駆け巡った。
感謝である。
今まで支えてくださった皆さんに感謝である。

本当に本当に今まで有り難うございました!!!